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「住宅は一生モノの買い物」のウソ: 住宅購入は住みかえを前提にすべき2つの理由

住宅は一生ものの買い物!っていう売り文句、よく聞きますよね。新築販売の営業トークの中でも定番のキャッチフレーズじゃないでしょうか。

確かに、ずっと住み続けるものなら、妥協せず自分が納得したものを買いたいですよね。子供が大きくなってもゆったりと暮らせる広い家がいい、立地も子供のことを考えると教育環境がよくて…とかやってると、いつの間にか検討する物件価格も高くなっちゃいますよね。

 

でも、ちょっと待ってください。まずは前提を疑ってみましょう。そもそも、本当に住宅は一生ものの買い物なんでしょうか。

「住宅は一生ものの買い物」への反論

そもそも建物がもたない

いきなり話の腰を折りますが、そもそも多くの住宅は一生住めません。

その前に寿命がきちゃうからです。

一般に、戸建ての耐用年数は30年、マンションの場合は50年程度しかないと言われています

 

少なくとも戸建ての30年って、一生と呼ぶには短かすぎますよね。28才で家を買ったら、定年前に寿命がきちゃいますから。

「住宅は一生ものだから、若いうちに戸建てを買っといて正解!もう老後は安心だね!」なんて思っちゃってたら、それこそ悲劇ですよね。いやまじで。

 

マンションの50年は少し微妙ですね。30才で家を買ったら、家の寿命が尽きるのは80才のとき。男性の場合はちょうど平均寿命ですね。

ただ女性の平均寿命は88才なので8年ほど足りません。

また、長生きする方は100才まで生きる場合がありますし、平均寿命も年々伸びてますからね。今後は人生100年なんて言われてますしね。


LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

こう考えると、やはりマンションの場合も一生ものの買い物というにはムリがありますね。

 

マンションや戸建ての販売業者が、どんな理屈で「家は一生ものの買い物」と言っているかは分かりませんが、現実に即していないのは事実でしょう

 

ちなみに、「住宅の耐用年数が過ぎても住み続けたらよくね?」って言う人もいるかもしれません。

いや、もちろん建物の寿命がきても住めないことはないでしょう。

例え家の寿命が尽きて、色々不便が出てきても住み続けてやる!って気概があれば、住み続ける選択肢もアリだと思います。

ただ、そんな気持ちで家を買う人は少数派でしょう。

ですので、一般的に考えて、やはり耐用年数が人間の寿命に達しないものを「一生モノの買い物」というのはおかしいと思います。

途中で住み替える

2つ目の反論は、住宅購入後も住み替える場合があることです。

ちなみに、miyaneの両親は人生で3回家を買っています。

家を買う→転勤で手放す→転勤先でもう一度買う→定年後、家を売って田舎に買い替える、って流れでした。

家を購入した後も住み替える家庭って結構多いんじゃないでしょうか。

 

いやいや、ウチは今の家に住み続けるよ!!って言う方もいるかもしれませんが、

30歳で家を買ったとして、8~90歳の寿命まで、5~60年間本当に同じ住居に住み続けられますか?

人生には住み替えを促す(住み替えた方が便利な)イベントが山ほど有ります。

  1. 今後子供が増えた場合、今の住宅で狭くありませんか?
  2. 子供が大きくなった場合、部屋を増やしたくなったりしませんか?
  3. 転勤した場合はどうしますか?
  4. 子供が中学・高校受験をして、比較的遠方の学校に通うことになった場合、子供の学校の近くに引っ越したくなりませんか?
  5. 子供が大学に入り、教育費がかさむと、住居費の安い家に引っ越したくなりませんか?
  6. 子供が独立して夫婦二人になったとき、今の家は逆に広すぎませんか?掃除は大変じゃないですか?
  7. 定年退職後、現役時代より家にいる時間が圧倒的に長くなりますが、築数十年の我が家を離れて新しい家に住みたくなりませんか?
  8. 定年退職後、今の職場に通う必要がなくなっても今の家に住み続けますか?実家の近くに帰ったり、物価の安い地方に移住したくなりませんか?
  9. 体が衰えてきたとき、最新のバリアフリー設備の整った住居に住みたくなりませんか?
  10. パートナーが亡くなった後、老人ホームに入りたくなりませんか?

ざっと思いつくだけでこれだけあります。

これらすべてのイベントを乗り越えて、最後まで同じ家に住み続ける方は果たして何パーセントいるのでしょうか。

 

特に、6番の「数十年後に新しい家に住みたくなる」っていう買い替えの動機は多くの人が抱くんじゃないでしょうか。

そもそも、若い頃に家を買ってその後ずっとそこに住み続けるってのは、いわゆる「おいしいものを先に食べちゃう」選択ですよね。

若い時に新築ピッカピカっていう最高の住環境を満喫した後、その後の人生はずっと年々古びていく (年を取ると不便な) 家で我慢するっていう生活になりますよね。

世の中「おいしいものは先に食べちゃう」派ばっかじゃないですよね?「おいしいものは後に残しておく」派ってたくさんいますよね?

だったら、「せっかくの老後を気持ちよく過ごしたいから、住宅を買い替えようか」って考える人多いと思うんですよ。

 

断言しますけど、家を買うときに新築にこだわっていた人、後で絶対に住み替えたくなりますよ。

そもそも新築にこだわる人ってのは、ピッカピカの家に特に価値を感じている人ですよね。

そんな人が、「寿命を全うするまでの長い長い今後5~60年の間、二度とピッカピカの家に住めない」っていう選択をすること自体おかしいんです。

絶対に矛盾してますよね?

だから、購入当時は一生住むつもりだったとしても、数十年後にピッカピカの新築の家に目移りすると思いますよ。

まとめ

一般に、住宅は一生モノの買い物と言われますが、それは実態を表していません。

日本の住宅の耐用年数は人が一生住めるほど長くないですし、そもそも一生その家に住み続けるケースはさほど多くないと考えられます。

「住宅は一生モノだから」という営業トークに惑わされずに、本当に自分に合った物件を選ぶ必要があります。

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