皆さんは海外旅行は好きですか?
僕は結構好きな方です。
特にヨーロッパが好きですね。
日本とは全然雰囲気が違いますから。
家族で海外旅行に行くとかなりお金がかかりますが、それでも値段に見合った経験ができると思っています。
ところで、海外旅行に行くとき、皆さんは旅行保険に入りますか?
「クレジットカードに保険がついてるからいらない」って人もいれば、「クレジットカードの保険だと不十分だから入ってる」って人もいるでしょう。
今回は、海外旅行に保険が必要なのか?についてお話します。
海外旅行保険って必要なの?
先に結論を書きますと、海外旅行保険は基本的に必要です。
理由は、(確率はとても低いけれども)海外旅行中の医療費が高額になるケースがあるからです。
保険の基本は、「確率は低いけど、もし起こると支払いきれない損失を被る場合」に備えるものです。
この原則に則ると、海外旅行時の医療費は、まさに保険で備えるべき事態と言えるでしょう。
また、高齢者の方は特に加入しておいた方がいいでしょう。
海外渡航時に高額な医療費が必要になるのは、圧倒的に高齢者が多いからです。
海外旅行での医療費ってどのくらいかかるの?
それでは、海外旅行時の医療費はどのくらいのお金がかかるのかについてお話します。
もちろん、必要な医療費は、渡航先と症例によって異なります。
渡航先によってはタダですむ場合もありますし、症状が軽ければ数千円から数万円ですむ場合もあるでしょう。
ですが、ものすごく運が悪ければ、医療費が数千万円になってしまうこともあります。
ジェイアイ損保の調査より、海外渡航時に高額医療費がかかってしまったケースを3つ紹介します。(2016年度トラブルデータより抜粋)
国 | 内容 | 金額 |
カナダ | ホームステイ先の居間で口から泡を吹いて倒れ
救急車で搬送。脳炎と診断され19日間入院。 家族が駆けつける。 医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 |
3,890万円 |
アメリカ | 体のだるさを訴え受診。
くも膜下出血と診断され19日間入院・手術。 家族が駆けつける。 |
2,528万円 |
サイパン | 飲酒後に転倒、後頭部を強打し救急車で搬送。
頭部外傷・硬膜下血腫と診断され10日間入院。 家族が駆けつける。 医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 |
2,367万円 |
もちろん、病気になったら必ずこんな大金がかかるわけではありません。
ここで挙げたのは、いわゆるワーストケースですね。
最悪の場合、このくらいのお金がかかりますよっていう話です。
海外旅行で怪我や病気になる割合
それでは、どのくらいの人が海外旅行中に怪我や病気になるんでしょうか。
外務省の2016年度海外邦人援護統計によると、犯罪被害・事故・疾病などに見舞われた海外渡航者は、20,437人でした。
そのうち、傷病者は761名で、死亡者数が504名でした。
これらは、大使館に連絡するほどの傷病ですので、かなり重篤なケースと推定されます。
総海外渡航者数が17,116,420人ですので、海外旅行で重篤な怪我や病気をする確率は約0.004%ですね。
かなり小さい確率ですが、海外旅行には一定の危険があるということですね。
先ほどの統計は、日本の在外公館からの情報に基づくデータでした。
公的なデータですので信頼できるんですが、大使館等に連絡していない疾病や怪我は統計に含まれていないという欠点があります。
そこで、保険会社による統計も見てみましょう。
ジェイアイ損害火災保険株式会社のトラブルデータによると、海外旅行中の事故発生率は3.6%です。
先ほどの外務省のデータに比べてとても確率が高くなっていますが、軽いけがや病気、さらには携行物を壊したり失くしたりした場合も含んでいるからです。
2016年度に医療費が300万円以上になったケースに限定すると、年間で70件になります。
また、医療費が1000万円以上かかったケースは7件になります。
高額な医療費がかかるのは、かなりのレアケースであることが分かると思います。
それでは、医療費が300万円以上になる確率はどの程度なんでしょうか。
ジェイアイ損害保険の加入者数が不明だったので、推計により計算したいと思います。
ジェイアイ損害火災保険株式会社の2016年度の保険料収入は138億円です。
1件あたりの平均保険料を1万円と仮定すると、2016年度の保険加入者数は138万人と推定できます。
すると、医療費が300万円以上になる確率は、70/138万 = 0.005%になります。
外務省のデータとほぼ同じ数字になりましたね。
つまり、2万人に1人の割合で、海外渡航中に高額医療費が必要になるということですね。
海外旅行時の医療費を保険で備えるべき理由
繰り返しになりますが、このような「確率は低いけど、莫大な医療費を請求される可能性がある」ケースこそ、保険で備えるべきです。
日本国内で病気になった場合は、日本の手厚い公的医療保険のおかげで医療費が高額になることはありませんが、海外旅行中は日本の医療保険は使えないわけですからね。
(日本の医療保険に海外医療費制度というものがありますが、海外での医療費を100%カバーできるものではありません。というか、高額な医療費が発生した場合には、ほぼ無力です。)
つまり、海外旅行中は医療費に対して公的な保障が何もない状態なんです。
ですので、海外旅行保険は加入しておいた方が良いと言えるでしょう。
実際、外務省も海外旅行保険への加入を推奨しています。(参考URL)
こうした予期できないトラブルに備え、海外旅行保険には必ず加入しておくことをおすすめします。実際、海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガ、盗難被害などにより多額の損害を被った日本人旅行者は数多くいます。
クレジットカードの付帯保険で十分なの?
海外旅行においては、何らかの保険に入る必要があるということが分かりました。
ですが、皆さんもご存知の通り、ほとんどのクレジットカードに海外旅行の付帯保険がついています。
ここで、気になるのが、クレジットカードの付帯保険で保障は十分なのか?ということです。
正直、これに関しては意見が分かれます。
クレジットカードの医療保障は、大体上限で200万円程度です。
クレジットカード2枚持ちであれば、上限400万円まで補償されます。
このくらいの補償金額があれば、海外渡航中の大抵の事故・病気に対処できます。
ただ、個人的にはそれでも海外旅行保険には加入しておくべきだと思っています。
というのも、海外旅行時の医療費が1,000万円を超えるケースが、かなりレアケースですが存在するからです。
実際、ジェイアイ損害保険では、2016年度は3件のケースで医療費が2,000万円を超えています。
ジェイアイ損害保険の加入者は136万人と推計され、実際の海外渡航者数の8%程度であることから、日本人全体では、毎年40人程度の渡航者の医療費が2,000万円を超えていた計算になります。
もし、海外旅行保険に入っていなければ、この中の大多数は経済的に破たんしてしまっていたでしょう。
逆に、海外旅行に行く人全てが保険に入っていれば、海外旅行中の事故や病気で経済的に破たんする人をゼロにすることができるのです。
確かに、海外旅行中に高額医療費が必要になるケースは確率的にはかなり低いです。
しかしながら、毎年日本人で数十人が高額医療費を支払っているという状況を考えると、全ての人が保険に入っておいた方がいいのではないか、と僕は考えます。
海外旅行保険のオススメの入り方
海外旅行保険は必要とはいえ、節約できないわけではありません。
通常のプランでは、必要ない保障がゴテゴテついているので、全部外しちゃいましょう。
基本的には、治療・救援費用以外は必要ありません。
これだけで、保険料を半額くらいにできますよ。
死亡保障は必要ない
海外旅行保険には大抵死亡保障がついています。
海外で死亡事故に巻き込まれたりするのが怖いのはよくわかりますが、死亡保障は必要ありません。
なぜなら、もし死亡保障が必要なのであれば、既に生命保険に加入しているからです。
基本的に生命保険は海外旅行中の死亡に対しても保険金が支払われますからね。
また、日本国内で死亡しようが海外で死亡しようが、必要なお金って変わりませんよね。
ですので、もし死亡保障が必要なのであれば、生命保険に加入しましょう。
障害保障も必要ない
同様の理由で、後遺症に関する保険も必要ありません。
もし必要なのであれば、国内の保険に加入すべきですからね。
携行品損害保障は必ず外しましょう
個人旅行であれば、携行品を破損したり盗難されたりしても、生活に困るほどの事態にはならないですよね。
お金を盗まれたらあきらめたらいいですし、カメラが壊れたら買いなおしたらいいですから。
携行品損害保障ってあまり必要じゃない割に金額が高いんですね。
この保障を外すだけで、支払い金額が3割くらい安くなりますから。
ですので、携行品損害保障は必ず保障内容から外しておきましょう。
携行品損害保障の保険金が高い理由は、携行品損害が良く発生する事故だからです。
ジェイアイ損害保障のトラブルデータによると、保険金支払いの約4割が携行品損害です。
一方、保険としてもらえる金額は多くても数十万円でしょう。
カメラを壊したとしても数万円で済みますからね。
つまり、携行品損害保障は「確率が高いわりに、仮に起こっても大してダメージがない事態」に対する備えということになりそうです。
保険で備えるべきでない事態の典型例ですね。
まとめ
今回は、海外旅行保険が必要かどうかについてお話しました。
とても低い確率ではありますが、海外旅行時に疾病・怪我をすると高額な医療費を請求される場合があります。
ですので、何らかの保険に入っていた方がいいでしょう。
一方、海外旅行保険には死亡保障や携行品保障など、必要ない保障がたくさんあります。
こういった保障を外し、医療・救援費のみの保障にすることがオススメです。