投資信託をやったことがある人はご存知だと思いますが、投資信託には大きく分けてアクティブファンドとインデックスファンドの2種類があります。
「そんなことは知ってるよ」って人は結構いると思うんですが、アクティブ型とインデックス型のメリット・デメリットをしっかり理解している人は意外と少ないんじゃないでしょうか。
今回は、インデックスファンドとアクティブファンドを比較してみたいと思います。
そもそもインデックス型とアクティブ型って何?
まずはインデックス型とアクティブ型についておさらいしておきましょう。
インデックスファンドとは、TOPIXやS&P500などの株式投資指標に連動した値動きをするように調整されたファンドのことです。
つまり、TOPIXが1%上がれば、インデックスファンドも1%上がり、TOPIXが2%下がればインデックスファンドも2%下がるわけです。
インデックスファンドがどうやってTOPIXと連動しているかというと、構成銘柄をそのままの比率で買っています。(これを完全法って言います)
例えば、TOPIXの構成比率って、大きい順にトヨタ自動車3.37%、三菱UFJ2.11%、ソフトバンク1.75%…って続くんですね。
あるインデックスファンドの運用金額が100億円だとすると、トヨタ自動車を3億3700万円、三菱いUFJを2億1100万円、ソフトバンクを1億7500万円…って感じで株を買っていけばいいわけです。
そうすれば、インデックスファンドの値動きはTOPIXに連動しますよね。
一方、アクティブ型はプロが積極的に運用するファンドです。
ファンドマネージャーがTOPIXなどの指標を上回るように運用をするわけです。
つまり、TOPIXが1%上がればアクティブファンドは2%上がり、TOPIXが2%下がればアクティブファンドは1%の下落で済むような値動きを「目指す」わけです。
必ずしもインデックスよりパフォーマンスが良いわけではないので注意が必要です。
(というか、後述しますがほとんどすべての場合でインデックスよりパフォーマンスは劣ります。)
インデックスファンドのメリット
信託手数料が少ない
先ほど述べたように、インデックス型では予め決められた比率で株式を買っていけばいいだけなので、運用はとても単純で機械的です。
ですので、インデックスファンドは信託手数料が少ないのが特徴です。
TOPIX連動のインデックスファンドの場合、信託報酬 (運営管理手数料)は安いもので0.16~0.17%程度です。
海外株式の場合はさらに安くて、米株式S&P500連動のインデックスファンドの場合は0.04~0.05%程度です。
ここまで安くなると、ほぼ無視していいコストですね。
一方、アクティブファンドは機械的な運用ではないので、信託手数料が高めに設定されています。
中には信託報酬1.5%なんてものもあります。
「別に1.5%くらい問題ないんじゃないの?」って思ってしまった方もいるかもしれませんが、信託報酬の1.5%はメチャメチャ大きいです。
例えば1000万円を運用している場合だと、毎年15万円も利益を圧迫するわけですからね。
というか、一般に投資収益って年率2~3%を想定する場合が多いですよね。
そのうちの1.5%も手数料として取られちゃったら、実質的な収益は0.5%~1.5%になりますからね。半減以下ですね。
手数料は投資収益に直結する、ものすごく大切な要素です。
投資信託をするうえでは、信託報酬を0.1%でも少なくするのはとても重要です。
長期的にはアクティブファンドより利回りが高い
みなさんはアクティブファンドに「手数料は高いけどプロが運用している分利回りは高い」というイメージを持っていませんか?
実はこのイメージ、まったくの間違いなんです。
詳しくはウォール街のランダムウォーカーという書籍に書かれていますが、実はインデックスファンドの方がアクティブファンドより長期的な投資収益が高いんですね。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
ですので、収益の面を考えると、アクティブファンドに投資するメリットって皆無なんですよ。
パフォーマンスが低いわりに信託報酬が高いわけですからね。
もちろん、中には長期的にインデックス型の収益を上回る奇跡のようなアクティブファンドもあるかもしれません。
ですが、そのようなファンドを見つけること自体がそもそも困難でしょう。
今現在アクティブファンドに投資している方に聞きますが、以下の質問に答えられる方が何人いるでしょうか?
- ファンドの運用方法 (どのような戦略で運用するか)を知っていますか?
- ファンドの運用責任者の名前を知っていますか?
- もし知っている場合、その人のキャリア・(他の商品も含めた)今までの運用成績を知っていますか?
- ファンドが何名のトレーダーで運用されているか知っていますか?
- ファンドの実質的な運用担当者が変更された場合、それを知る手立てはありますか?
ほとんどの人は答えられないんじゃないでしょうか。
そのくらい、アクティブファンドは運用手法に関して情報開示を行っていません。
はっきり言って、ズブの素人が運用管理をするようなずさんなファンドだったとしても、僕らにそれを知る術はないんですよね。
これほど情報が限られている中で、「良いファンド」を見つけるのはほぼ不可能でしょう。
個人的には「良いファンド」を見つけることをあきらめて、おとなしく運用成績の良いインデックスファンドに投資するのがベストな方法だと思います。
まとめ
今回は、インデックスファンドとアクティブファンドについてお話しました。
アクティブファンドには「プロが運用するからパフォーマンスがいい」というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
信託報酬も高く、(ほとんどが)インデックスファンドより運用成績の悪いアクティブファンドを選択するメリットはほとんどないと言えるでしょう。