「ご購入いただいた商品に延長保証をつけますか?」
ネットで買おうが店頭で買おうが、必ず聞かれる言葉じゃないでしょうか。
延長保証に加入すると、メーカーの一年保証に追加して3年・5年とお店が商品の保証をしてくれます。
ただ、延長保証料としてたいていは数千円とられてしまいます。(たまにタダで延長保証してくれるお店もありますが)
メーカーの一年保証だと不安!って人には延長保証はいいんですが、数千円払うのはちょっと…って人もいるでしょう。
延長保証をつけるかつけないかは、家電を買うときの悩みの種の一つじゃないでしょうか。
ただ、個人的には家電の延長保証は無料じゃない限り絶対につけません。
今回は、なぜ延長保証がお得じゃないのかについてお話します。
保証期間中にほとんど壊れないようになっている
家電が故障したけど延長保証のおかげでタダで修理できた!!って人は一体どのくらいいるんでしょうか。
恐らくそんなに多くはないはずなんです。
なぜなら、家電は延長保証の期間中にはほとんど壊れないようになっているからです。
そもそも、ほとんどの家電には1年間のメーカー保証がついています。
ですので、もし家電に初期不良があったとしても、延長保証なしで無料で修理・交換できます。
つまり、延長保証の恩恵があるのは、購入後1年後~延長保証期間 (3年とか5年とか)までに故障した場合だけなんですよね。
そして、一般的にこの期間内に故障する確率はかなり低いことが知られています。
製品の故障率というのは、下の図のようにバスタブのような曲線を描きます (バスタブ曲線)。
製品購入後すぐの段階では、初期不良などもあり、故障率は高いんですね。
ですので、この部分の保証はメーカーが無料で行うわけです。
買ってすぐ壊れて、「修理代ちょうだいね」なんてヤクザな商売してたら客が離れていきますからね。
メーカーが責任をもって保障するわけです。
その後数年間は故障率は低く推移します。
そして、ある年数が経った後、故障率が急激に上昇するんですね。
この故障率が低い期間のみ、家電量販店は延長保証をしているです。
つまり、延長保証期間中はほとんど家電は故障しないんですね。
そして、明らかに家電量販店は延長保証期間を故障率から決めています。
確信犯なわけですね。
その証拠は、家電ごとに延長保証期間が異なるからです。
例えば、ビックカメラの保証期間をみてみると、
- 3年保証: パソコン(通信契約を伴わないタブレットを含む)・パソコン周辺機器・プリンタ・ポータブルオーディオ機器・ゲーム機(一部の商品を除く)
- 5年保証: 上記以外の家電
- 10年保証: 95,000円以上のエアコン、冷蔵庫
となっています。
比較的壊れやすい (故障率が上昇するまでの期間が短い)パソコンを3年保証にして、エアコンや冷蔵庫などの寿命の長い (故障率が上昇するまでの期間が長い)製品を10年保証にしているわけです。
間違いなくバスタブ曲線を意識して設定していますよね。
実際、僕が使っていたノートパソコンが去年壊れたんですが、買ってからちょうど4年経った時だったんですね。
有料の延長保証が3年間だったんで (加入はしませんでしたが)、ちょうど延長保証期間が終わった直後くらいに壊れたわけです。
多分、似たような経験をした人は多くいるんじゃないでしょうか。
これは何も偶然やジンクスなんかじゃないんです。
故障率が上昇し始める前に保証期間が終わるように恣意的に設定されているからです。
もちろん、家電の延長保証もビジネスなので、仕方がない面もあります。
お店もボランティアで延長保証をしているわけではないので、どうしても故障率が低い期間のみを保証期間に設定するわけです。
パソコンを10年保証!!なんてするわけないんです。お店が損しちゃいますから。
ただ、「お店にとって得」ということは、「顧客にとっては損」であることを忘れてはいけません。
わざわざ損をする延長保証に加入する意味はあまりないですよね。
まとめ
今回は、家電の延長保証についてお話しました。
延長保証もお店のビジネスですので、基本的には加入しないほうが得になると考えて問題ないでしょう。
保険の考え方とおなじですね。