保険の加入を検討するときに、まず念頭におくべきことは、保険は加入すれば加入するほど損をするということです。
これは考えてみれば当たり前で、保険会社はボランティアではなく、営利企業だからです。
保険は商品で、保険契約はビジネスです。
保険会社がなぜ儲かるのか?といえば、保険加入者の月々の支払のほうが、保険の受取額よりも多いからです。
ですので、保険には入らない方がお得なんです。
なぜ保険に加入するのか?
保健に入らない方がお得なのであれば、今入っている保険をすべて解約すればいいのか?と言えばそうではありません。
損をしてでも入らなければいけない状況があるんです。
万が一起こったら今後の人生が経済的に破綻するリスクがある場合です。
一番わかりやすい例が、車を運転する場合です。
2016年度に交通事故で亡くなった数は4,117人です。
これが何を意味するかというと、無視できない確率で交通事故の加害者になる可能性があるという事です。
交通事故の損害賠償額は一億円を優に超える場合があるので、貯蓄から支払いきれない人が大半でしょう。
「交通事故起こしたら自己破産すればいいじゃん」とか言わないで下さいね。
確かにあなたの債務は免除されるかもしれませんが、困るのは被害者の遺族です。
きちんと賠償金を払いましょう。
このように、自分の全財産をもってしても対処しきれない事態には、たとえ損だと分かっていても、保険に入る必要があります。
保険の節約方針
それでは、どのように保険を節約すればよいのでしょうか。
それには大きく分けて二つの方法があります。
不要な保険を「解約する」
「今後の人生が経済的に破綻するリスク」以外に備えている保険はすべて解約しましょう。
典型的な例が、「病気になったらお金がかかるから、医療保険に入っておこう」という保険加入理由です。
繰り返しますが、保険に加入したら損をするんです。
「保険に入った方が得」ということは絶対にありません。
医療保険の場合、病気になったら医療費を払えないという危機的な状況でのみ、加入すべきです。
「入院費を払うのはもったいないから」、「万が一手術をするとき給付金があったら助かる」といった保険加入理由は、論理的におかしいです。
そして、ここで重要なのは、保険を「解約」することです。
掛け金をへらすのではなく、思い切って解約しましょう。
これが意外と難しいんです。
例えば、医療保険や生命保険には8割近くの人が加入しています。
世の中のほとんどが入っているのに自分は入らない、という決断には相当勇気がいります。
誰だってマイノリティになるのは怖いですよね。
「みんなが加入しているのに自分だけは要らなくて大丈夫なのか」とか、「みんなが入っているのはやはり何か理由があるんじゃ」とか、疑心暗鬼になっちゃうんですね。
なので、「じゃあ、掛け金を減らして少しだけ入っておこう」っていう妥協点に落ち着いちゃう人が多いんじゃないでしょうか。
でもですよ。
必要ないものは必要ないんです。
例え掛け金を少なくしても、無駄なお金は無駄なんです。
勇気を出して、思い切って解約しましょう。
不要な保険を「増やす」
不要な保険をすべて解約し終わったら、次にすべきは、必要のない保険を増やすことです。
例えば今、生命保険に入っているとしましょう。
生命保険の解約を検討したが、貯蓄が少なく、自分に何かあったときに残された家族の生活が成り立たないため、解約できなかったとします。
ではこの生命保険を解約するためにはどうすればよいか。
答えは簡単。貯蓄を増やせばいいんです。
貯蓄が増えれば、残された家族の生活にゆとりができるので、生命保険が解約できるかもしれません。
要は、保険解約→生活コスト削減→貯蓄→さらなる保険解約、の好循環を作り出せばいいんです。
そうすれば、家計はどんどん楽になり、貯蓄はどんどん増えます。
いずれは、全ての保険に入らなくてよい、筋肉質な家計が出来上がるでしょう。
まとめ
保険の加入を検討するとき、基本的に加入すれば損をする、という意識を持っておきましょう。
保険の基本は、「万が一起きれば生活が破綻する」リスクにのみ備えることです。
損得勘定で保険に入ってはいけません。