住宅っていつ買うのがベストなのか。答えがなかなか出ない質問ですよね。
結婚したらすぐに買った方がいいのか、子供ができてから買った方がいいのか…人それぞれ考え方があると思います。
例えば、住宅ローンを定年前に完済するためにも、なるべく早く買った方がいいという意見がありますよね。
25歳で家を買えば、定年までちょうど35年あるわけですからね。繰り上げ返済しなくても返せるわけです。
一方、40歳で家を買った場合、定年まで20年しかありません。それなのに35年ローンを組んだら怒涛の勢いでローンを返済しなくちゃいけないですからね。
月々7万円のローンなら、15年分を繰り上げ返済するには約1200万円が必要です。
2年で1200万円を繰り上げ返済するなら、毎年60万円必要なわけですからね。
確かに大変そうです。
一方、住宅は子供ができるまで待って買うべきという意見もあるわけです。
だって、結婚してすぐに3LDKのマンションを買って、結局子供ができなかったら?
夫婦二人で3LDKは広すぎますからね。
「もっと狭い住居で良かった。もったいない!!」ってなりかねないですよね。
家族構成が固まってから家を買うべきっていう意見も一理ある気がします。
いろいろな意見があると思いますが、個人的には住宅を買うなら定年後がいいと思っています。
なぜ若いうちに住宅を買ってはいけないのか?その理由をお話します。
広い住居が必要な期間は意外と短い
という理由で住宅購入を検討し始める家庭も多いと思います。
実際僕の周りにも、結婚したらすぐに家を買った人や、妊娠が分かったらマンションを買った人などが多い印象です。
確かに、3LDKとかのファミリー向けのマンションを賃貸で探すのはなかなか難しいですよね。
そもそも物件自体が少ない上に、賃料も結構しますからね。
結婚や出産を機に子どものために家を買うという行為は一見理にかなって見えます。
ですが、住宅購入とはローンだけでも35年続く、長丁場の買い物です。
目先の状況でなく、長期的な目線で考えてみる必要があります。
そこで、子どものために家を買うということを、長期的な目線で考えてみましょう。
購入後12年間子供部屋は使われない!?
結婚や出産を機に家の購入を検討する方って、「子供部屋がすぐに必要になる」って考えてると思うんですよね。
でも、実際家を買った方なら知っていると思いますが、子どもが小さいうちって子供部屋を使わないんですよね。
出産前に3LDKのマンションを買ったけど、子供が大きくなるまでは子供部屋は物置だった
ってご家庭も多いんじゃないでしょうか。
それでは、子供部屋っていつから必要なんでしょうか?
実は、面白いデータがあります。
積水ハウスの調査によると、小学校一二年の80%が子供部屋を持っているそうです。
面白いのは、60%の子供は中学生になるまで子供部屋を自分の部屋として使わないそうです。
中学生までは、リビングなどで時間を過ごすことが多いようですね。
子供が産まれてすぐに家を買った場合、子供部屋はなんと12年間も使われないってことです。
12年間も必要ない部屋があるなんて、もったいない話ですよね。
だって、その分無駄に住宅ローンを支払ってることになるわけですからね。
子供部屋を6畳だとすると、約10平米ですよね。
3LDK70平米、3500万円のマンションを買ったとすると、約1/7ものスペースを無駄にしているわけですからね。
約500万円分を無駄にしている計算になるわけです。
「子供が産まれたら、子どものために家を買わなきゃ」って考えている方は多いと思いますが、それは必ずしも正しくありません。
だって、子供は中学生になるまで自分の部屋なんて要らないんですから。
だったら、子供がある程度大きくなってから大きい家に引っ越してもいいわけですよね。
出産前や出産直後に家を急いで買う必要はないわけです。
ポイント
- 60%の子供は中学生まで自分の部屋を使わない
- 出産前や出産直後に焦って家を買う必要はない
子供部屋が必要なのは6年間だけ!?
子どもが小学校高学年になって、そろそろ子供部屋が必要って時期になったとしましょう。
今度は、子供部屋はいつまで必要なのか?について考えなくてはいけません。
その答えは簡単です。子供が家に住まなくなるまでです。
早い子だと、大学入学時に家を出ますよね。遠方の大学に通う場合は下宿になるからです。
すると、最短で18歳で子供部屋はいらなくなります。
(もっと言うと、全寮制の高校に行く場合を考えると、15歳時点で家から出ることもあります)
さて、さきほど子供部屋は中学生まで使われない場合が多いというデータを見ました。
そのデータと合わせて考えると、子供部屋が必要なのってたったの6年間だけなんです。
中学入学してから高校卒業するまでですね。
たった6年間のためだけに35年も住宅ローンを組むなんて馬鹿らしくないですか?
残りの29年間は部屋を1つか2つ持て余すことになるわけですから。
だったら、家なんて買わないで、賃貸で住み替えた方がよくないか?って思えてきますよね。
子供が中学生になるまでは子供部屋のない家に住んで、子供が大学に入学するまでの6年間だけ広い家に住んで、その後また子供部屋のない家に引っ越せばいいわけです。
ポイント
- 子どもが自分の部屋を有効活用するのは6年間だけ
- 6年間のためだけに35年の住宅ローンを本当に支払うべきか、よく考えましょう!
持ち家は住み替えると莫大な手数料が発生する
って思う方もいるでしょう。
ですが、それこそお金をドブに捨てるような行為です。
なぜなら、莫大な仲介手数料を取られるからです。
例えば、3000万円の物件を売却する場合、一般的には100万円程度の仲介手数料がとられます。
100万円・・・大きいですよね。
でも、これで終わりじゃないんです。
売ったからには、新しく住む家を買わなくちゃいけないですよね。
ここでもまた諸費用がとられます。
一般に、住宅購入時の諸費用は物件価格の5%程度かかると言われています。
ですので、3000万円の物件を購入する場合は150万円程度の諸費用がさらにかかります。
つまり、3000万円の住宅を売って、新しく3000万円の住宅を買うという住みかえを行ったとき、合計250万円の支出が発生します。
車が買えちゃう金額ですね。
また、費用面だけじゃないんです。
家を売るのって結構時間がかかるんですね。
当たり前なんですが、買う人がいなければ家は売れないですからね。
そう都合よく家を買いたい人がすぐに表れるわけではないですからね。
家の売却を検討し始めてから数か月たってようやく売れたって場合もよく聞きます。
何人も何人ま内覧してもらったけど、なかなか決まらない場合もありますし、価格面で折り合わなければ値下げ交渉に対応する必要もあるでしょう。
手間の観点からもそうホイホイと家を売れないんですね。
このように、一度住宅を買ってしまうと、費用・時間の面から気軽に住みかえできなくなってしまいます。
ですので、「持ち家でも、子供の成長に合わせて住み替えればいいじゃん」って考え方は、正直ナンセンスです。
住み替えを前提にするのであれば、家を買うのではなく、賃貸にすべきです。
ポイント
- 住宅購入後の住み替えはお金がかかる
- 住宅の売却には時間がかかる
- 住み替え前提であれば賃貸にすべき
老後の自由のために定年後に家を買おう
老後に家を買うべき最後の理由は、老後の自由のためです。
定年退職すると、当たり前ですけど職場に通う必要がなくなりますよね。
そうなると、今の場所に住み続ける理由がなくなる人って結構いるんじゃないでしょうか。
むしろ、老後は
- 地元に帰ってゆっくりしたいな
- 田舎で野菜とかつくりたいな
- 沖縄でのんびりしたいな
- むしろ海外に住んでみたいな
- 別の場所に引っ越してみたいな
とか思ったりしませんか?
考えてみると、老後って人生で初めて何の制約もなく自分の住むところを選べる時期なんですよね。
だって、生まれてからは、親の住んでいる場所 (自分の地元)に強制的に住まなくちゃいけないですし、働き始めてからも職場に通える地域に住まなきゃいけないですからね。
仕事があると、「京都に住みたくなったから明日から京都に引っ越そう」ってわけにはいきませんものね。
でも、老後にはそんな制約はないんです。もはや通うべき職場もないので、好きなところに好きなだけ住んでいいんです。
京都に住みたければ明日から住めばいいですし、沖縄に住みたければ沖縄に行けばいいんです。
ですので、もし家を買うのであれば、住む場所に何の制約もない定年後にすべきです。そうすれば、本当の意味で自分の希望に合った物件を選ぶことができます。
ちなみに、定年後も家を買わずに賃貸にするっていうのも選択肢の一つです。
個人的には、老後の賃貸派も現実的に取りうる選択肢だと考えています。
ポイント
- 仕事を引退すると、今の場所に住み続ける必要はない
- 老後は自分の好きなように住む場所を選べる唯一の時期
まとめ
今回は、家をいつ買うべきかについてお話しました。
現役時代に家を購入するのはデメリットが多いです。
そもそも、必要な家の広さは子供の成長に応じて増減するので、気軽に住みかえできない持ち家は子供と一緒に住んでいる家庭には不利です。
これに対して、定年後は職場という制約がないので、好きなところに家を買え、好きなところに住むことができます。