もはや懐かしい話ですが、2014年に消費税が8%に上がりました。
消費税増税の前日、夕食の食材を買いにスーパーに立ち寄ったんですが、今もその時のことを強烈に覚えています。
ものすごく長い行列があったんですよね、レジの前に。
そうです。駆け込み消費です。
みんなビール缶ひと箱とかお米とか、あらゆるものを買いだめしてたんですよね。
とても奇妙な光景に見えたので、とても印象的でした。
例えばビール一箱なんて5,000円くらいですよね。
消費税5%と8%の違いって、5000円の商品だとたった150円なんですね。
たった150円を得するために、消費税の前日にわざわざビール箱を余分に買いに長蛇の列に並びに行く…
あまり賢明な判断とは言えないですよね。
実は、このビール缶のケースはまだいい方です。場合によっては、駆け込み消費をしてしまうことで、むしろ損をしてしまうこともあるからです。
今回は、駆け込み消費をなぜしてはいけないのかについてお話します。
駆け込み需要でむしろ価格が上がる場合がある
消費増税前に買いだめしておいた方が得になるかというと、必ずしもそうではありません。
むしろ消費税増税前の方が価格が高くなる場合があるからです。
基本的に、需要が高くなると価格は上昇します。
消費増税前は駆け込み需要があり、増税後は買い控えが起こります。
ですので、増税前の方が増税後より価格が高くなるのはとても自然な現象なんです。
それでは、論より証拠、2014年増税前後の実際の価格推移を見てみましょう。
価格.comでは、増税前後の家電価格について特集記事を公開しています。
今回は、その中からノートパソコン (LaVie E LE150/R1W PC-LE150R1W)の価格推移についてご紹介します。
グラフを見ると一目瞭然ですね。4/1の増税以降、値崩れが起きています。
増税前の3/31は平均価格が93,207円でしたが、増税から1か月後の4/30には87,173円になっています。
税金を考慮しても、
増税前: 93,207 × 1.05 (消費税5%) = 97,867円
増税後: 87,173 × 1.08 (消費税8%) = 94,147円
となり、増税後に買った方が3700円もお得でした。
もちろん、全ての家電がこのような価格推移になったわけではないですが、「増税前に買った方が得」という考えは必ずしも正しくないことが分かるかと思います。
駆け込み需要に踊らされてしまうと、むしろ損をしてしまう場合があることを覚えておきましょう。
消費税上昇程度では大して家計に影響はない
そもそも消費税の家計への影響ってどの程度なんでしょうか。
消費増税目前になると、テレビではやたら「家計負担が増える!!」と連呼しますが、実は大して影響ありません。
2019年には、8%から10%への消費税増税が計画されていますが、月の支出28万円の家計をモデルケースに、家計への影響を試算してみましょう。
家賃 | 11万円 |
共益費 | 1万円 |
保険 | 1万円 |
水道光熱費 | 1.5万円 |
通信費 | 1万円 |
食費 | 5万円 |
日用品 | 1万円 |
医療費 | 1万円 |
レジャー費 | 1.5万円 |
小遣い | 4万円 |
支出合計 | 28万円 |
それでは、消費税増税分の負担増を計算してみましょう。
1か月の支出が28万だから、28万×2% (消費増税分) = 5600円の負担増…ではありません。
消費税って全部の支出にかかってくるわけではないからです。
例えば、家賃及び共益費は非課税です。
(ちなみに、住宅ローンの支払いや修繕積立にも消費税はかかりません。ザックリ言うと、住宅関連の支出には消費税はかからないということですね。)
また、保険と医療費にも消費税はかかりません。
ですので、上のモデルケースでは、水道光熱費、通信費、食費、日用品費、レジャー費、小遣いの計14万円の支出にのみ税金がかかります。
つまり、増税により増える負担はひと月当たり14万円 × 2% (消費増税分) = 2,800円になります。
…どうでしょう。個人的には騒ぐほどの負担増じゃないように見えますが。
少なくとも月々2800円以上貯金していた家庭であれば、消費増税が原因で家計が赤字になることはありませんよね。
むしろ必要ないものを買うため家計には悪
駆け込み消費には、必要ないものも買ってしまうというデメリットがあります。
なんとなく今のうちに買っておかないと損という気がしてきちゃうんですよね。
そうなると、「今必要じゃないけど、いつか必要になるかもしれない」と思って無駄な買い物をしてしまうかもしれません。
例えば、「今のうちに買っておいた方が得」とお肉とかお米とか野菜などを買いだめしたとしましょう。
ですが、食べきれないほどの食材を買ってしまっては意味がありません。
もし、食べきれずに腐らせて捨ててしまったりしては本末転倒ですよね。
むしろ駆け込み需要に踊らされずに、必要ないものは買わないほうが節約になると思いませんか?
まとめ
今回は、駆け込み消費についてお話しました。
来年には消費税増税が控えていますが、駆け込み消費をすれば必ず得をするというわけではありません。
消費税増税前は、駆け込み需要によりむしろ価格が上がることもありますし、もともと必要ないものを買ってしまっては本末転倒です。