住宅を購入するに当たって一番頭を悩ませるのは住宅ローンをどう組むかじゃないでしょうか。
変動か固定か。究極の二択ですよね。
「変動の方が金利が安くて家計には助かるけど、金利が上がったら損する」
「固定は金利が変わらないから将来安心だけど、変動よりも金利が高くて月々の支払いが重い」
こんな感じで堂々巡りしちゃいますよね。
とても悩ましい問題です。
確かに、「変動と固定のどっちがいいか」を考えると、絶対に答えは出ません。どちらも一長一短ありますからね。
ですが、「我が家の家計にはどちらが合っているか」と考えると、答えが出てきます。
住宅ローンを考えるときは、一般論ではなく自分の家計に合わせて具体論で考える必要があります。
今回は、皆さんの家庭にとって変動と固定のどちらが合っているかのヒントについてお話します。
ポイントは、「月々どのくらいの貯金が出来そうか」と「現在どれだけ貯金があるか」です。
この2点を考えることで、自分の家庭にあったローンの決め方が分かってきます。
ご家庭のローンについて見直す参考にしていただけたら幸いです。
貯金できない家計は固定金利を選ぶべし
変動金利か固定金利かを決めるときに、多くの人はどちらがお得かを考えると思います。
確かに、お金を支払う総額は少ない方がイイですよね。
ですので、「変動金利は今後どうなるか?」を予測し、金利が上がりそうなら固定金利ローンを、金利が上がらなそうなら変動金利ローンを組む人が多いでしょう。
でも実は、お得かどうかのみでローンの組み方を決めるのは非常に危険なんです。
変動金利を選んで数年後に金利が上昇した場合、家計が破綻する可能性があるからです。
変動金利か固定金利かは、仮に金利が上昇したとしても住宅ローンを滞りなく返済できるかという観点から決められるべきです。
金利が上がってローンを返せなくなると、自宅が差し押さえられてしまい、住まいを失ってしまうからです。
変動金利でローンを組んだAさん夫妻を例に挙げて説明しましょう。
月収40万円のAさんは、30歳の時に3000万円のローンを組んで都内にマンションを購入しました。
当時の変動金利は1.0%で、返済額は月々約8万5千円でした。一方、固定金利の場合は金利が2.0%で、返済額は月々約10万円。毎月の返済額は1.5万円の差があります。
Aさんは今後も低金利が続くと考え、金利の安い変動金利ローンを選びました。
管理費修繕積立込みで月々10万円が住宅関連の支出としてかかりましたが、毎月1万円ずつ貯金ができていました。
ですが、その後変動金利が上昇し続け、10年後には3%まで金利が上がりました。
その頃の月額のローン返済額は11万5千円になります。借り入れ時より3万円も返済額が大きいですね。
しかも、修繕積立金も1万円上昇し、トータルで月々14万円がローンの支払いになってしまいました。
マンション購入当初は1万円の貯金ができていましたが、金利が上がった今は毎月3万円の赤字です。
今後子供の教育費もかかってくる中、毎月3万円の赤字は致命的です。
家計が苦しくなったAさんは、やむなくマンションを手放す決断をしました。
Aさんの失敗は、家計が毎月1万円しか余裕がないのに、変動金利を選んでしまったことです。
変動金利を選ぶということは、金利に対してリスクをとるということです。
すなわち、リスクをとれるだけの余裕が家計にない場合は、どんなにお得でも変動金利は選ぶべきではありません。
毎月カツカツの家庭には固定金利以外の選択肢はないんです。
さもなければ、金利が一時的に上昇した場合にローンの返済ができなくなり、自宅を手放さなければならなくなってしまいます。
貯金がたくさんある家庭は変動金利を選ぶべし
住宅ローンで変動か固定化を選ぶ際には、今現在持っている貯金額も考慮すべきです。
例えば、3000万円を持っているBさんが4000万円の物件を買ったとします。
こんなとき、皆さんはどうしますか?3000万円を頭金にして1000万円のローンを組むという方が多いんじゃないでしょうか。
ですが、個人的には3000万円を投資に回し、4000万円のローンを変動で組むことをオススメします。
だって、例えば株式 (ETF等)を買えば、配当金って年2%くらいありますよね?
それに対してローンの変動金利って最も低いやつだと0.6%位のものとかありますよね? (2017年11月現在)
つまり、
配当金 (もらえるお金) = 3000万 × 2% = 60万円
ローン金利 (払うお金) = 4000万 × 0.6% = 24万円
なので、差し引き年間36万円分お得なんです。
家を買っても、ローンの金利を支払うどころか、年間36万円の不労所得をもらえるんですね。
3000万円を頭金にして1000万円のローンを組むより、全然いいですよね?
だって、1000万円のローンを組むと、毎年6万円の金利を払わなくちゃいけないですからね。
毎年36万円をもらえるローンの組み方と毎年6万円払わなければいけないローンの組み方だと、どっちがお得か考えるまでもないですよね?
(ちなみに、全額株式投資というのは、一つの例です。実際は、リスク分散のために、株式や国債、定期預金などに分散投資すべきです。)
「変動金利で組んで、後々金利が上がったらどうするの?4000万円の借り入れで金利が上がったら、月々の支払いがすごいことになるじゃん。」って思う人もいるかもしれません。
ローン金利が上がったとしても、配当金や利息などの収入があるので、月々の支払はそれほど重くなりません。
例えば、借入額4000万円で、ローン金利が3%になった場合の月々の支払額は15万円程にのぼります。
確かに、ローン支払い月々15万円はとても思い負担です。
ですが、Bさんには年間60万円 (月平均5万円)にも上る配当金収入があることを忘れてはいけません。
つまり、Bさんにとっては、本来月々15万円支払う必要があるはずが、配当収入のおかげで実質的には月10万円のローン支払いで済んでいるんですね。
投資のおかげで支出が2/3になっているわけです。
ですので、投資+変動金利というやり方は、金利変動リスクに対してとても強い方法なんです。
とは言ったものの、もし配当金や利息などの収入よりローンの金利負担が大幅に大きくなってしまい、家計が苦しくなってしまったらどうすればよいのでしょうか。
これも簡単な解決策があります。株や国際を売ってローンを返済したらいいんです。
そうすれば、毎月の支払い負担がさらに軽くなりますよね。
まとめ
今回は、住宅ローンの選び方についてお話しました。
住宅ローンをお得かどうかで選ぶ方がいますが、個人的にはオススメしません。
住宅ローンは金利変動リスクの許容度で選ぶべきです。
家計に余裕がない (リスク許容度が低い)方は固定金利を選ぶべきでしょう。
反対に、貯金がある (リスク許容度が高い)方は変動金利にすべきです。
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なんと700万円以上の節約事例もあるようなので (ホントか?)、一度試してみてはいかがでしょうか。
もちろん、借り換えだけじゃなく、新規借り換えの一括審査申し込みもできます。