節約をする上で、絶対にやってはいけないことがひとつあります。
それは、
むやみに小遣いを減らすこと
です。
節約を考えた時、まず夫婦の小遣いを減らすことに目を向けてしまっていませんか?
パートナーの小遣いの使い方というのは、とても目につきやすいのです。
夫婦であっても、ほとんどのケースでお金の価値観が違うからです。
ゲームをしたことがない妻にとって、夫が遊ぶ高額なPS4やゲームソフトは、お金と時間のムダにしか見えません。
ファッションに興味がない夫にとっては、妻が買うブランド物のバッグなんかは無駄遣いにしか見えないでしょう。
夫婦お互いに相手のお金の使い方に不満があるケースは多いんじゃないでしょうか。
ですので、節約を始めようと思った人の多くが、まず小遣いを減らそうとする心理はとても自然なことのように思われます。
ですが、それは絶対やってはいけません。
今回は、小遣いを減らすデメリットについてお話しします。
少なすぎる小遣いのデメリット
生活の満足度が下がる
小遣いが少ないと、日々の生活に息苦しさがうまれ、ゆとりある楽しい生活を実現できません。
例えば、支出は同じだけど全く生活スタイルの違うAさん夫婦とBさん夫婦の家計を見比べてみましょう。
Aさんは、立派な家に住んで車も持っている、少しだけ贅沢な生活をしています。
ですが、家や車にお金をかけている分、小遣いが少ない家計になっています。
住居費 (ローン+諸費) | 150,000円 |
食費 | 40,000円 |
日用品 | 2,000円 |
車両費 (駐車場代含) | 35,000円 |
光熱費・水道 | 15,000円 |
通信費 | 10,000円 |
保険 | 8,000円 |
夫小遣い | 15,000円 |
妻小遣い | 15,000円 |
支出合計 | 280,000円 |
一方Bさんはあまり広くない家に住み、車を持っていません。
ですが、その分家計に余裕があり、小遣いが多い家計です。
住居費 (ローン+諸費) | 125,000円 |
食費 | 40,000円 |
日用品 | 2,000円 |
車両費 (駐車場代含) | 0円 |
光熱費・水道 | 15,000円 |
通信費 | 10,000円 |
保険 | 8,000円 |
夫小遣い | 45,000円 |
妻小遣い | 45,000円 |
支出合計 | 280,000円 |
Aさん夫婦は、誰もがうらやむ素晴らしい家と車を持っているかもしれませんが、その分小遣いが1,5000円しかありません。
これでは、夫は同僚との飲み会も頻繁には行けません。趣味のゴルフを楽しむお金もありません。
妻はママ友とのランチの回数を減らし、おしゃれも我慢しなければいけません。
やりたいことができない生活を強いられています。
対して、Bさん夫妻は自慢できる家はなく、車もないので多少不便かもしれませんが、お小遣いがそれぞれ45,000円もあります。
お小遣いが4万5000円あれば、かなり自由な生活ができますよね。
飲み会や趣味に使うお金をケチケチしなくていいですし、服やバッグにお金を使うこともできます。
さらに、車はありませんが、もし遠出をしたければそれぞれの小遣いからお金を出し合ってレンタカーを借りればいいわけですからね。
一か月の支出はAさんもBさんも同じですが、ほとんどの方がBさん夫婦の家計がゆとりがあると感じると思います。
Bさん夫婦は、Aさん夫婦よりもお金を使う自由度が高いからです。
お金を使う自由度が高いということは、それだけ生活にゆとりがあるということですね。
生活のダウンサイズが難しい
小遣いが少ないと、生活レベルを下げることが難しくなるのもデメリットです。
共働き生活を続けると、一時的に支出を抑えたい時が多くやってきます。
例えば、妻が産休・育休に入った時。
一時的に収入が落ちますので、それに合わせて支出を減らしたくなります。
もしくは、子供を保育園に入れた時。
特に、認可外保育園に入れる必要がある場合は、保育料がかなり高くなります。(10万以上の場合も。)
この場合も、保育料で支出が増えた分、別の支出を節約する必要があります。
それでは、Aさん夫妻のケースを見てみましょう。
Aさん嫁が産休に入り、月収が5万円減少したとします。
Aさん夫妻は、家計をトントンにするために、5万円分の支出を削る必要があります。
いざ家計を削ろうとしたAさんは、恐らくこう思うでしょう。
住居費はローンなので削れません。
車両費は車を売れば減らせますが、Aさん嫁の産休は一年だけです。いったん車を手放し、一年後に買いなおすなんてことをしたら、むしろ高くついてしまいます。
夫婦の小遣いは合わせて3万円なので、これを0にしてもあと2万円たりません。
食費その他からむりやり2万円をねん出しなければなりませんが、小遣い0でさらに生活費を減らすのは、かなりの負担になってしまいます。
一方、Bさん夫妻のケースを考えてみましょう。
Bさん夫妻の小遣いは合わせて9万円。5万円の節約には一時的に小遣いを減らすのが効率的でしょう。
節約後のBさん夫妻の小遣いはそれぞれ2万円ずつ。
多少厳しい金額ですが、一年くらいであればなんとか我慢できるでしょう。
そもそも月2万円のこづかいは、産休前のAさんの小遣いよりも多いんですから。
まとめ
お小遣いは、家計の見直しで対象にされやすい項目です。
しかしながら、お小遣いを減らしすぎてしまうと、生活が貧しくなり、また突発的な収入減に対処しづらいという欠点があります。
ストレスなく節約生活を楽しむためにも、お小遣いは少し多めなくらいがちょうどいいのです。
(もちろん、常識的に多すぎる小遣いは、減らす対象にすべきですが。)