人生にはお金を貯めやすい期間(お金の貯め時)が3回あるって言われています。
独身時代、子供が小学生の間、子供の独立後の3回ですね。
確かに、独身時代は家族を養う必要がないのでお金はあまりかかりません。
子供が小学生の間も、保育園の負担がなくなり、比較的教育費がかからない時期です。
また、子供の独立後は夫婦二人だけの生活になるので、お金がかからないでしょう。
このような「貯め時論」では、
- 貯め時を逃すとお金が貯められなくなる
- 教育資金や老後資金の貯金は「貯め時」の期間にどれだけ貯金が増やせるかが勝負
という論調が多いです。
ですが、共働きについて話を限定すると、この「貯め時論」は正しくないように思います。
個人的には共働きの貯め時は結婚後から定年退職までの全期間だと思っています。
共働き家庭は、「貯め時」を意識せず、常に家計が黒字になる生活を送るように心がけることをおすすめします。
共働きは貯め時を意識すべきじゃない
まず前提として、共働きはお金の「貯め時」を気にするべきじゃないです。
その理由は、貯め時を意識するとそれ以外の期間で貯金ができなくなるからです。
「今は貯められない時期だから仕方ないか」ってなっちゃって、本来は貯められるのに家計が緩んじゃうんですね。
つまり、貯め時じゃないことを貯金ができない言い訳にしちゃうんですよね。
コレってすごいもったいないことなんです。
一般的に、貯め時じゃない期間って、
- 子供が生まれて小学校に入学するまでの6年間
- 子供が大学に進学して卒業するまでの4年間
の10年間ですよね。
この10年間で毎年100万円の貯金をするのと、貯金をあきらめてトントンで生活するのでは、1000万円も違います。毎年200万円なら2000万円ですね。
何が言いたいかというと、一般に「貯め時じゃない」って言われる期間って、とっても長いんです。この時期に貯金をあきらめちゃうと、最終的に大きな貯金額の差になって現れちゃうんですね。
確かに、専業主婦家庭では、この「貯め時じゃない」期間に貯金をするのは難しい場合もあるでしょう (収入にもよりますが)。
ですが、共働き家庭ではちょっと頑張って家計を管理したら貯金できる家庭も多いんじゃないでしょうか。
「貯め時じゃない時期は貯金できない」って決めつけずに、貯金をする努力をしてみましょう。
貯め時以外のお金の貯め方
子供が生まれて小学校に入学する前の期間
この時期に主にかかる負担って保育園費です。
一般に保育園費がかかる時期はお金が貯めづらいと言われていますが、そんなことはありません。特に家計管理を工夫しなくても貯金できるでしょう。
その理由は、認可保育園の場合は収入に応じて保育園費が決まるからです。
年収の低い家庭では、保育料も安くなるので貯金への影響は小さくなります。
一方、年収の高い家庭では、保育料は高くなりますが、その分もともとの貯金額が多いので、貯金が0になることはないでしょう。
自治体によって違いますが、保育料は平均で2万円程度と言われています。
ですので、DINKs時代に年間150万円程度貯金できていた人は、子供が出来て保育園に預けても、年間120万円程度は貯金できるでしょう。
また、年収が高い場合でも保育料は最大7~8万円程度になります。自治体にもよりますが。
7~8万円も保育料を払う家庭の世帯年収は1000万円を超えていると思われますので、DINKs時代には最低でも年間250万円程度の貯金は可能でしょう。すると、この時期に年間150万円程度貯金できる計算になります。
このように考えると、保育料が発生したとしても特に問題なく貯金ができることがわかります。
ただ、残念ながら例外もあります。
認可保育園が空いておらず、認可外保育園に預けている場合です。
例えば、都心で認可外保育園に預けると、10~15万円程度する場合があります。
ちなみに、miyane家では、一時期認可外保育園に子供を預けていましたが、この時は約10万円かかりました。
夫婦の年収に関係なく一律にこの金額がかかるので、収入の高くない世帯では貯金が難しい場合があります。
最近は認可保育園の需要が大きすぎますので、認可外保育園に子供を預けている家庭も多いんじゃないでしょうか。
対処法は、保育園が比較的空いている地域に引っ越すことです。持ち家を買ってしまっている場合は難しいかもしれませんが、賃貸の場合は比較的簡単に引っ越すことができます。
また、収入が高い家庭では認可保育園の保育料がかなり高くなりますが、実は保育料を下げる方法があるんです。
それは、認証保育園を利用するという方法です。
高収入世帯にとっては、認可保育園に比べて認証保育園の方が保育料が安い場合があるからです。
実際、miyane家では子供を認証保育園に預けていますが、認可保育園に預けた場合の保育料より5000円ほど安く済んでいます。
子供が大学に進学する期間
子供が大学に通っている期間は、人生で最も貯金が難しい時期でしょう。
学費関連の支出が大幅に増えるため、家計負担が他の期間に比べて著しく大きいからです。
ですが、個人的にはこの時期にも共働き家庭は貯金が可能だろうと考えます。
ただ、そのためには、入念な準備が必要です。
まず、教育費にいくらかかるのかを把握しましょう。
国公立なのか私立なのか、また自宅通学なのか下宿なのかによって大きく費用負担は変わりますが、ここでは費用の大きい「私立理系で下宿」を例に挙げて具体的な金額を考えましょう。
生命保険文化センターによれば、「私立理系で下宿」の場合は、4年間で1105万円の教育費がかかると言われています。
1年間当たり275万円ですね。
確かに、この負担を支払いながら、家計を黒字にするのは至難の業ですね。
ここでは、収入を増やすことで家計を黒字化することを考えましょう。
収入を増やすと言っても、副業をするわけではありません。お金に働いてもらうんです。
平たく言うと、投資収益を教育費に当てましょう、ってことです。
このためには、十数年にわたる入念な準備が必要です。
つまり、結婚してから子供が大学に入学するまでの期間、家計管理をしっかりやって貯めたお金を、投資に回すことで収入を得るんです。
モデルケースとして、妻が26歳で結婚して30歳で子供を産み、48歳の時に子供が大学に進学する場合を考えましょう。子供は一人、夫婦の年収は、東京都の平均年収の夫650万円、妻450万円としましょう。
26際から30歳の4年間はDINKsですので、お金が比較的貯まりやすい時期でしょう。この時は年間400万円貯金ができたとします。
次に、30歳から36歳までの6年間は、子供が就学前の期間です。子供の保育費を考えて、年間300万円が貯金できたとします。
次の36歳から42歳の6年間は、子供が小学生の期間です。ここでは、年間350万円の貯金ができたとします。
さらに、42歳から48歳までの6年間は、中学・高校の教育費がかかりますので、年間250万円の貯金とします。
このように考えると、モデルケースの夫婦は、子供の大学進学までに、7000万円のお金を貯めることができます。
で、このお金のうち、例えば6000万円程度を配当金3%の株式に投資したとします。
すると、年間約180万円 (税引き後144万円)の配当金が毎年手に入ります。
このお金を、教育費に充てるんです。
教育費は年間275万円かかるので、配当金を引いた131万円が、正味の家計負担になります。
この程度の負担であれば、教育費を払いながら年間150万円程度の貯金をすることも不可能ではないでしょう。
ちなみに、毎年得られる配当金は、(減額されたりする可能性もありますが)今後ずっともらえるものです。
教育費の支出が終わった後は、年金の足しにすれば、老後も豊かな生活が送れますよ。
もちろん、子供が二人とも下宿して大学に通う場合や、子供を私立医学部に進学させる場合などは家計の黒字化は難しいかもしれません。
ですが、必ずしも「子供が大学に通っている間は貯金はムリ」ということではないことが分かっていただけたかと思います。
まとめ
今回は、共働きの貯金時期についてお話ししました。
人生には3回の「貯め時」があると言われていますが、共働き家庭はそれを意識すべきではありません。
貯め時を意識しすぎると、それ以外の期間で「貯められなくてもしょうがない」とあきらめモードになりかねないからです。
「貯め時」以外の期間も計画的に貯蓄をするように心がけましょう。
また、特に子供が大学入学するまでのお金の貯め方として、学資保険にすべきか定期預金にすべきか悩んでいる方も多いと思います。
学資保険のメリット・デメリットに関しては、保険ROOMさんのコチラの記事でとてもよくまとめられています。
学資保険と定期預金の比較について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。