収入保障保険を検討するとき、まず思い浮かぶのがうつ病じゃないでしょうか。
仕事をするとどうしてもストレスがたまりますからね。
うつ病は他人事じゃないですよね。
では、収入保障保険に入っておけば、うつ病になってしまっても大丈夫なんでしょうか。
結論から言いますと、収入保障保険ではうつ病に備えられません。
今回は、なぜ収入保障保険ではうつ病に備えられないのかについてお話します。
また、うつ病に備えるにはどうしたらいいのかについても考えてみましょう。
ほとんどの収入保障保険ではうつ病は対象外
収入保障保険ではうつ病に対処できない理由の一つ目は、ほとんどの収入保障保険はうつ病は対象外だからです。
「ほとんどの」というか、「ほとんどすべての」が正しいです。
収入保障保険に加入している方は、今一度契約内容を確認してみてください。
例えば、Aflacの給与サポート保険には、
病気・ケガで働けない場合を保証
※精神障害や妊娠・出産などを原因とする場合を除きます
って明記してありますね。
同様に、皆さんの加入している収入保障保険もうつ病は対象外でしょう。
では、なぜ保険会社はうつ病を保障対象外にしているんでしょうか。
理由は簡単で、うつ病を保証対象にしてしまっては会社がもうからないからでしょう。
実際、うつ病の発症率は6.5%と言われています。
実はこれ、ケガや病気により働けなくなる確率より圧倒的に高いんです。
Presidentの記事によると、ケガや病気で障害状態に陥る確率は、25~34歳の男性で0.27%、最も確率の高い45~54歳でも1.25%にすぎません。
女性の場合もほとんど同じで、25~34歳で0.32%、45~54歳で1.0%です。
うつ病の発症確率の6.5%がどれだけ高いかがお分かりいただけたかと思います。
うつ病を保障対象に入れてしまうと、収入保障の対象者が数十倍に増えてしまいますからね。
保険会社としては、ビジネスにならないわけです。
うつ病が対象の収入保障保険でも保障は十分じゃない
それでは、うつ病が対象の収入保障保険は全くないのでしょうか。
実は、全くないわけではありません。
例えば、チューリッヒ生命の収入保障保険プレミアムでは、特約でストレス性疾病保証付き就業不能保障特約をつけることができます。
要は、うつ病などの精神疾病のときにも収入保障をするような特約ですね。
ですが、この特約、最大で2年間しか適用されません。
月額10万円の保証だとすると、総額でたった240万円しか保証されません。
でも、うつ病になった時のことを考えると、240万円では全然足りないですよね。
ですので、チューリッヒ生命の収入保障保険プレミアムではうつ病に備えるには不十分と言えます。
また、同じくチューリッヒ生命のくらすプラスはうつ病に対応した収入保障をしてくれます。
ですが、この保証では、ストレス性疾病の入院にしか対応していません。
うつ病の場合、入院ではなく自宅療養になるケースがほとんどだと思いますので、この保険も保障としては不十分でしょう。
このように、うつ病に対応した収入保障もないことはないですが、保障内容は不十分と言えるでしょう。
うつ病に備えるには
保険では対処できないうつ病に経済的に備えるには、どうしたらいいんでしょうか。
ここでは、うつ病に経済的に備える5つのポイントをご紹介します。
うつ病にならないようにするのが一番大事
何よりもまず、うつ病にならないようにするのが一番大事です。
うつ病は誰もがかかる病気ですが、実は予防方法もあるんですね。
普段の生活から予防を心がけ、うつ病になるリスクを減らしましょう。
それでは、具体的にはどうすればうつ病のリスクを減らせるのでしょうか。
こちらの記事によると、
- 考え方を変える
- 食生活を変える
- 太陽光を浴びる
ことでうつ病を予防できるそうです。
「こうでなければいけない」「100点でないといけない」という凝り固まった考え方を変えて、「80点でも合格点」と考えることで、ストレスを減らすことができるそうです。
次に、肉と魚をバランスよく食べ、トリプトファンを摂取することで、うつ病は予防できるそうです。
また、外に出て太陽光を浴びるだけでもうつ病予防に効果があるそうです。
これらの予防策は、すぐに取り組める内容なので、心の健康のためにも明日から生活習慣を見直しましょう。
収入源を分散する
仮にうつ病になってしまった場合のことを考えると、収入源が一つだけというのはとても危険です。
例えば、収入源が夫だけで、夫がもしうつ病になってしまったら、収入はゼロになってしまいますからね。
収入源を分散するのに一番手っ取り早いのは、共働きをすることです。
そうすれば、仮に片方が働けなくなってしまっても、もう一方の収入で生活できますよね。
他にも、投資をして不労所得を得ることも収入の分散として有効です。
例えば、配当金収入が年間50万円あれば、それだけで家計としては大助かりですからね。
事前に固定費を節約する
固定費を削減しておくことも、万が一の場合への備えになります。
もしうつ病になって働けなくなっても、固定費が少なければ毎月の赤字額を少なく抑えることができるからです。
例えば、共働き家庭で片方が働けなくなり、収入が毎月15万円になった場合を考えましょう。
もし住宅ローンと車両ローンの支払いが合わせて毎月13万円もあった場合はどうでしょうか。
どうあがいても毎月赤字になってしまいますよね。
こうなってしまえば、うつ病になってしまったパートナーが復職できるまで、かなり精神的にキツイ生活を強いられることになります。
一方、ローンの総額が5万円だった場合はどうでしょう。毎月15万円から5万円を引いて、月10万円を生活費として使えます。
生活は厳しいでしょうが、相当工夫すれば毎月トントンにできるかもしれないですし、赤字になったとしてもそこまで大きな金額にはならないでしょう。
固定費を抑制しておけば、万が一の事態でも慌てずに済みますし、ゆっくり療養できます。
ですので、高額のローンはできるだけ組まないように気を付けましょう。
また、住宅を購入せず、賃貸にするのも効果的です。
万が一の事態が起これば、家賃の安い住宅に引っ越すことができるからです。
できるだけ貯金をする
同様に、できるだけ貯金を増やしておくのも効果的です。
仮に収入が減って、赤字が続くような状況になってしまっても、ある程度の貯金額があれば家計破綻にはつながりません。
精神的に余裕をもって生活することができます。
まとめ
今回は、保険でうつ病に備えることができるかについてお話しました。
結論としては、保険でうつ病に備えることは難しいです。
収入源を分散するなり、貯金をしておくなり、自分で備えるしかないのが現実です。