お金の雑学

独身男性が一番年金が払い損になるって知ってました?

以前、「基本的に年金は払い損にならない」という趣旨の記事を書きました。

確かに、年金の受け取り金額の方が年金保険料の支払い総額よりかなり多くなりましたね。

「年金は払い損」はよくある間違い!!実際は払わないと損なんです

 

ですが、これは「平均寿命まで生きれば」の話ですよね。

当たり前ですが、不摂生な生活を送れば寿命って縮まりますよね。

例えば、「独身男性は寿命が短くなる」って言う話って聞いたことありません?

実際、そういう統計があるんです。確かに、独身男性って外食が多くなりますし、扶養する家族がいないと健康にもあまり気を使いませんからね。なんとなく納得できる話です。

他にも、喫煙をすると寿命が短くなるっていうのも誰もが知っている話かと思います。

 

平均寿命が短くなってしまう「独身男性」とか「喫煙者」が年金を払い損になるかどうかって気になりませんか?気になりますよね?

個人的にはメッチャ気になります!!

 

ということで、「独身」「喫煙者」「肥満」の3パターンに対して、年金が払い損になるか?を試算してみました。

年金を払い損にしないために、どのような生活習慣に気を付けるべきなのかについて、ぜひ参考にしてください。

寿命を縮める要因

寿命を縮める要因って何があると思いますか?

パッと思いつくのは、

  • 結婚しているか未婚か
  • タバコを吸うか吸わないか
  • 太っているかいないか
  • お酒を飲むか飲まないか

といったものですかね。

 

実は、1979年の「リスクカタログ」という論文で、タバコや未婚などの31項目要因がどの程度寿命を縮めるのかが調査されています。

この論文によると、

  • 未婚の男性は3500日 (約9.6年)、女性は1600日 (4.4年)寿命が縮まる
  • タバコを吸うと男性は2250日 (約6.2年)、女性は800日 (2.2年)寿命が縮まる
  • 平均体重より30%以上重いと、男女ともに1300日 (3.6年)寿命が縮まる
  • お酒を飲むと男女ともに130日 (0.4年)寿命が縮まる

ってことになりますね。

今回は、「未婚」、「喫煙」、「肥満」の3つのケースそれぞれに対して、年金が払い損になるかを計算してみます。

未婚、喫煙、肥満のどれが年金が払い損になる? (男性編)

まずは男性の場合で試算してみましょう。

以下の条件で試算します。

  • 22歳大卒から60歳定年までの38年間厚生年金に加入
  • 平均標準報酬月額は30万円
  • 年金は65歳から受け取り

未婚男性の場合

未婚の場合、男性の平均寿命81歳から未婚による寿命減少の9.6年を引いた、71.4歳を未婚者の平均寿命として試算を行います。

 

まずは年金保険料の払込額について計算してみましょう。

月額年金保険料は

30万円×18.182%=5万4546円

になります。

これを38年間払い続けるので、年金保険料の総額は

5万4546円×456カ月=2487万2976円

になります。

でもこの金額は企業と労働者の合算の負担なんですね。

なので、実際の自己負担額はこの金額の半分になります。

ですので、年金保険料の自己負担の総額は1243万6488円になります。

 

それでは、年金の受取額を計算しましょう。

年金の1年間の受け取り額は

779,300円×{456か月(払い込み月数)+24か月(全額免除期間)×1/2} (基礎年金分)

+ 30万円×5.769/1000×456か月 = 154万9016円

となります。

で、この154万円を65歳から71.4歳までの6.4年受け取れるので、

154万9016円 × 6.4年 = 991万3,702円

 

残念ながら、約250万円のマイナスになってしまいました。

未婚の場合は、基本的に年金は払い損になってしまうということを覚えておきましょう。

喫煙男性の場合

次に、喫煙男性の場合について試算します。

男性の平均寿命81歳から喫煙による寿命減少の6.2年を引いた、74.8歳を未婚者の平均寿命として試算を行います。

 

年金保険料の払込額は、未婚の場合と同様で、総額1243万6488円になります。

年金の受取総額は、155万円の年金を65歳から74.8歳までの9.8年間受け取れるものとして試算を行いました。すると、

154万9016 × 9.8 = 1518万356円

になります。

 

差し引き、約270万円のプラスですね。

試算前は「喫煙者は健康不安があるので払い損になるんじゃないかなぁ」という予想を立てていたんですが、いい意味で裏切られましたね。

タバコを吸っていても年金は払い損にならないようですね。。

肥満男性の場合

最後は、肥満の場合です。3つのケースのなかで、最も平均寿命への影響が少ない項目ですね。

肥満の人のの平均寿命は、81-3.6 = 77.4歳として試算を行います。

それでは、計算してみましょう。

 

年金保険料の払込額は同様に、総額1243万6488円になります。

年金が受け取れる期間は、155万円の年金を65歳から77.4歳までの12.4年間ですね。

年金の受取総額は、

154万9016 × 12.4 = 1920万7798円

になります。

 

差し引き、約680万円のプラスですね。

男性は、太っている場合でも年金が払い損にならないようですね。

未婚、喫煙、肥満のどれが年金が払い損になる? (女性編)

先ほどの男性の場合の試算では、未婚、喫煙、肥満のすべての場合で年金が払い損になってしまいました。

それでは、女性の場合はどうなるんでしょうか。

女性は男性より平均寿命が長いので、年金の面からは有利ですよね。

女性の平均寿命は87歳なので、男性より6年も長い期間年金を受け取れますからね。

しかも、未婚とタバコの寿命への影響は、男性より小さいですからね。

 

男性の場合と同様に、以下の条件で試算します。

  • 22歳大卒から60歳定年までの38年間厚生年金に加入
  • 平均標準報酬月額は30万円
  • 年金は65歳から受け取り

未婚女性の場合

まずは未婚の場合を試算してみましょう。

最近は女性も未婚率が増えてきているようで、女性の生涯未婚率は14%に上ります。

未婚の女性は年金が払い損になるんでしょうか、それとも払い得になるんでしょうか。

 

未婚女性の平均寿命は、女性の平均寿命87歳から未婚による寿命減少の4.4年を引いた、82.6歳として試算を行います。

未婚男性の平均寿命71.4歳に比べて、10年以上も長生きですね。

これは期待できそうですね。

 

年金保険料の払込額については、今までの試算と同様、1243万6488円になります。

一方、年金の受取額は、65歳から82.6歳までの17.6年間、年金を受け取れるので

 

154万9016円 × 17.6年 = 2726万2,681円

になります。

 

差し引き、約1480万円のプラスですね。

未婚男性はマイナスだったんですが、未婚女性はプラスなんですね。

女性の方は結婚しようがしまいが安心して厚生年金保険料を払えますね。

喫煙女性の場合

次に、喫煙女性の場合について試算します。

喫煙のリスクは女性の方が男性よりも少ないみたいですね。

男性の喫煙者は寿命が6.2年も短くなりますが、女性の場合はたった2.2年なんですよね。

女性は体が強いですね。

 

それでは、女性の平均寿命87歳から喫煙による寿命減少の2.2年を引いた、84.8歳を未婚者の平均寿命として試算を行います。

年金保険料の払込額は今までの試算と同様に、総額1243万6488円になります。

年金の受取総額は、155万円の年金を65歳から84.8歳までの19.8年間受け取れるものとして試算を行いました。すると、

154万9016 × 19.8 = 3067万516円

になります。

 

年金の受取額と保険量の払込額の差は、なんと約1820万円もプラスになります。

女性と男性とでは結果が全然違いますね。

男性の場合はよりも1500万円くらいプラス額が大きいですからね。

肥満女性の場合

最後は、肥満の場合です。

肥満女性の平均寿命は、87-3.6 = 83.4歳として試算を行います。

…この平均年齢だと、おそらく年金は払い損にはならなそうですね。

 

年金保険料の払込額は同様に、総額1243万6488円になります。

年金が受け取れる期間は、155万円の年金を65歳から83.4歳までの18.4年間ですね。

年金の受取総額は、

154万9016 × 18.4 = 2850万1894円

になります。

 

差し引き、約1610万円が得になっています。

女性の場合は、全ての試算で年金は払い損にならないという結果になりました。

まとめ

今回は、独身・タバコ・肥満がどの程度もらえる年金額に影響があるかについてお話しました、

今回の試算では、未婚男性のみ年金が払い損になり、女性は全ての場合で年金は払い得になることが分かりました。

独身男性の方、ぜひ結婚することをオススメします。

 

-お金の雑学

© 2024 32歳で5000万円貯めた共働き貯金法